東北電力南山形幹線建設レポート1

今回は建設中の南山形幹線についての記事です。

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南山形幹線は山形県上山市を通過する朝日幹線No.267鉄塔から分岐し、山形市西部の西山形変電所を結ぶ500kV対応送電線です。

この送電線の建設理由は、東日本大震災にさかのぼります。津波で太平洋側の発電施設がやられてしまった東北電力では、新潟からの送電が一縷の希望となりました。しかし新潟からの電力を通せる275kV送電線は、山形中央部をスルーして一度宮城側の西仙台変電所に抜け、そこから北上し宮城変電所を経由して新庄変電所まで行かないと山形県中央部まで繋がりません。震災当日、山形県の送電設備の損傷は軽微でしたが、宮城県の宮城変電所の被害が大きく山形県側でも大規模停電が発生しました。主要な275kV送電線と変電所の配置を図に示します。オレンジ破線が南山形幹線です。

図2

この教訓を活かして、宮城県を経由せずに山形中央部に電力を供給する使命を帯びて建設されるのが南山形幹線です。これによって日本海側の275kV送電線が繋がり、秋田方面との融通もしやすくなります。

比較的仙台から近いということもあって、建設の様子を継続して見て行きたいと思います。

6月14日の西山形変電所の様子です。目立った工事は行われていませんでした。北側の部分に500kV対応山形幹線が接続されているので、南山形幹線もこちら側のスペースに接続されると考えられます。

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変電所の南側を走る山形県道17号線では、No.44鉄塔の建設が始まっていました。

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その一つ起点よりのNo.43鉄塔建設現場には取付道路が新しく敷設されていたのが印象的でした。またNo.42鉄塔へ資材を運搬する索道が設置され、有力な輸送手段が限られる送電鉄塔建設ならではの設備を見ることができました。

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場所はとんで南山形幹線の起点部分を見ていきます。左に見えるのが南山形幹線が分岐する朝日幹線N0.267鉄塔です。かなり手前から立ち入りが制限されています。遠目に見たところ、資材の搬入をしている段階のようです。どのように分岐していくのか楽しみですね。

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このすぐ近くでは、東北縦貫自動車道の建設も進んでいます。完成すれば山形県の南北の移動が大変楽になるこの高速道路、こちらの建設状況も気になるところです。

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「東北電力南山形幹線建設レポート1」への2件のフィードバック

  1. 失礼します。
    500kv設計でも暫定275kvですと、送電線は4導体では無く2導体なのでしょうか?同じ500kv設計で暫定275kvの朝日幹線などは4導体でしたので気になりました。

    1. 佐藤嶺様

      東北電力のプレスリリースを確認したところ、導体数に関する記述は見つけられませんでした。
      以降は私の推測となりますが、接続される朝日幹線は500kV設計の4導体であり、起点となる西山形変電所に接続されている山形幹線も500kV設計4導体の275kV暫定運用であることから、南山形幹線も4導体であると思います。

      工事の進捗状況を見ると鉄塔が立ち上がっている箇所が増えてきているので、近いうちには電線の工事に入ると思われます。その時にまた、確認いたします。

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