関西電力 寝覚発電所

 朝の冷え込みも緩み、春の足音が近づいてきました。

 そんな中、私は春分の日と土日を繋げて4連休を取得し、中部地方に住む同好の方と木曽・伊那路を電力設備目当てに訪問してきました。

 その中でも印象に残ったのは、景勝地・寝覚ノ床の近くに位置する関西電力寝覚発電所です。

 そもそもなぜ中部電力のテリトリーである長野県に関西電力の発電所があるかというと、木曽川の電源開発は太平洋戦争前に関電の前身の一つである大同電力が行ったから、という歴史的経緯があります。

 さて、来歴に軽く触れた後は発電所を見ていきましょう。実はこの直前に、予定していたルートが崖崩れで通れなくなっていたので、逆方向から迂回してきました。

 モダンなコンクリート造りの建物からは、60Hzの音が響いてきます。生まれも育ちも50Hzな私には、遠くへ来たと実感できる音ですね。発電所裏手の変圧器から真上に伸ばされた電線は、屋上に直接引き留められた(!)碍子に接続され、送電線との開閉設備がある段丘崖上へ繋がっていきます。

建屋に直接取りついた碍子の影が、側面に落ちている。後ろに見えるのは駒ケ岳。

 その途中にあるのが、この発電所のスターと言っても過言ではない二連の1回線水平配列鉄塔です。言葉も不要の愛らしさ。足元の武骨な水圧鉄管とのコントラストも映えています。

かわいい。

そして、その上には木曽谷の発電所群を連絡する送電線とのジャンクションがあります。こちらの変電所も、裏手からフェンス越しのアングルを狙えます。

この鉄構も歴史を感じる。

 上から合流してくる連絡線も午後の斜光線に塔体を煌かせて、心なしか歓迎してくれているように見えました。

アングル材に反射する、昼下がりの光線がいい感じ。

 この日と翌日にわたり、かなり濃い内容の行程を消化したので、「木曽・伊那路電力紀行」として、シリーズで紹介していきたいと思います。