今日は仙台市泉区松森にある、東北電力仙台変電所を紹介します。
昭和35(1960)年完成の超高圧変電所で、奥只見の水力電源と仙台火力の火力電源を結んで合理的な運用を行うことが当初の役割でした。すなわち当時最新鋭の仙台火力発電所をベース電源とし、変動する負荷は出力を変えやすい水力で賄うという方針が採られたのです。これは現代の電源構成に繋がる重要なターニングポイントとなりました。
電気事業黎明期は送電技術が未熟だったため、発電所は消費地の近くに作らなければなりませんでした。日本の都市は沖積平野ですから、もちろん水力発電はできず専ら火力発電に頼っていました。大正時代になってからは長距離送電ができるようになり、駒橋発電所に代表される大容量水力電源が運転費用の面から有利となりました。
それから太平洋戦争、終戦直後としばらくは水力発電が主流でしたが、高度経済成長で電気需要が伸び、季節によって発電量が変わる水力発電より安定した電源が求められるようになりました。
ここに来て高効率・大容量の火力発電所が建設できるようになり、米・ゼネラル・エレクトリック社の協力を得て作られたのが仙台火力発電所でした。
この火力電源と水力電源を連系させるために建設された送電線が275kV本名仙台線で、その水力側の起点が本名変電所、火力側の起点が仙台変電所でした。
変電所の話なのにいつの間にか発電所の話になってしまいました。今日は仙台変電所の生い立ちを紹介しましたが、次回はそこに接続している送電線路を紹介していきます。